【個人輸入ガイド】海外通販での決済の疑問。為替レート、VAT、送料、関税…

海外通販で、商品をカートに入れるまでは簡単ですが、いざ決済時に迷う場合があるようです。引っかかりそうなポイントをまとめます。

  1. 海外通販の決済と為替レート
  2. 外為手数料
  3. 決済価格、送料、VAT
  4. 関税
  5. 消費税
  6. 課税方式の違い
  7. 「輸入」が特別なことじゃなくなった
  8. 参考リンク

 

海外通販の決済と為替レート

たとえば Google や Yahoo! の外為相場で見た実レートが 145 円/ポンドだとしても、海外通販で物を買った時、そのレートで決済されるわけではありません。

決済時には、カード会社なり PayPal なりに外国為替関係の手数料を支払わなくてはならないからです。

更に「決済日」は、即時処理の PayPal の場合は「購入日」となりますが、クレジットカードの場合はカード会社の「決済処理日」となります。

頭が混乱しそうですよね。この後詳しくお話ししていきます。

個人で少量買う分には大した差にはならないので、「送料・手数料」だけ気にかければ大丈夫です。ただし、たとえば英語の先生向けの卸ルートなどで大量購入したり、輸入卸・小売など商売の仕入れに使う場合は、もう少し注意すべきことがあります。

外為手数料

海外通販の多くの場合で、商品代金は日本円ではなく外貨での決済となります。そのため、まず「外貨取扱手数料」が購入金額に対し、

PayPal 決済 … 4%

クレジットカード決済 … 1.3 〜  2%

これが「決済日の」為替レートでかかってきます。

PayPal よりもカード会社の方が一見低めですよね。ただ「為替レート」も日々変動しているので、実際いくら支払うことになるかは、前述の通り購入時点ではわかりません

つまり「為替変動のリスクを購入者が負う」ということになります。

現に、この記事を手直ししている 2020.9 現時点、冒頭に出した「ポンド」の「円」に対する価格は 145 円 → 135 円に下がっています。更に、4, 5 年前までは 1 ポンド 170 円くらいしました (ちなみに 1980 年代には 500 円くらい)。

ところで PayPal ユーザー規約の表には 2 つの数字が載っていますね。見づらいのでカスタマサポートへ問い合わせてみた所、”商用支払いの際に発生する通貨換算” 欄の「日本」を見れば良いそうです。つまり 4.0 % とのこと。

残高の資金 (PayPal 残高) を他通貨に換算する時は 2.5 % が適用されるそう。PayPal 決済を使う場合、予め決済通貨に換金しておくと良いですね。私も外貨の残高がいくらかあるので、いつ使おうかな。

決済価格・送料

「実際いくら払うのか」が事前にわからないと嫌な場合は、価格が「円表示(円払い)」のサイトで買うのが最も間違いない方法です。Book Depository なんかは、円表示かつ送料も価格に含まれているため、最後の最後に何かが上乗せされるなんていうこともありません。

海外 Amazon 各社も、決済画面では「円払い」が選べます。ただ「送料・手数料」は決済確認画面で確認できますが、そこまで行ってやっと判明するので、全部込みで安い本を探すのが面倒に感じます。Book PeopleAbe Books も同様です。

ちなみに VAT は日本在住の人は気にしなくて良いものです。EU 各国やタイなどアジアの一部で、買い物の際にかかってくる消費税のようなものです (Value Added Tax : 付加価値税)。それらの国から物を買っても、輸出されるものにはかかりません。

関税

「書籍」は無税のため、関税のことは気にしなくて良いですが、一応。個人輸入の際の基本ルールは以下の通りです。

基本ルール
課税価格(※)の合計が 1 万円以下の場合、無税
※課税価格 …商品代金や輸送コストなど、輸入にかかる代金

国内で販売することを目的としない「個人使用の品物」には、例外的に合計金額の 6 割を課税価格とする「0.6 掛けルール」というものがあります。詳しくは、関税定率法基本通達(昭和47年3月1日蔵関第101号)(抄)の “輸入者等の個人的な使用に供される輸入貨物に係る課税価格の決定の特例” 欄をご覧ください。

税率については、税関 HP「輸入統計品目表(実行関税率表)」の最新版をご確認ください。この表は年に数回、更新されます。

消費税

国内消費税も、この「課税価格」に対してかかります。関税がかかるものの場合は、その「関税額も含めた合計」に対してかかってきます。

「0.6 掛けルール」に従って計算すると、課税価格の合計が 16,666 円以下 (0.6 掛けして 1 万円以下)であれば無税、それを超える場合は、輸入時に消費税を支払うことになります。

支払いタイミングがいつになるかは輸入の方法によりますが、ネットショッピングの場合、基本的には Door-to-Door での自宅配送となるでしょうから、必要な場合は配送時にその業者へ支払うことになります。

課税方式の違い(申告課税方式/賦課課税方式)

私は大量輸入することが無いのですが、「ロイヤルメールや EMS などの郵便物であればスルーされるが、FedEx や DHL などの宅配便であれば取られる」という情報がチラホラと見つかりました。

これは、DHL など宅配便業者の場合は全ての輸出入貨物について Invoice や Packing List などの書類を作成し、事前に内容を申告しているからです(通常の輸出入のやり方) 。

郵便物の場合はそのようなことをしませんが、税関で抜き打ちチェックが行われ、支払い義務が発生することがあります。

「輸入」が特別なことじゃなくなった

一昔前までは「日本で手に入りにくい」洋書に価値がありました。しかし今は誰にとっても身近な 国内のAmazon などで、和書と変わらない価格で売っています。また、言葉の壁さえクリアすれば、誰でも海外通販で安く買えるようにもなりました。

「(自分で輸入した)子供向け英語絵本のお店をオンラインに持ちたい」と私は思っていました。ところが海外から物を買うのがこれだけ簡単にできるようになった今それをやると、低価格競争の消耗戦に巻き込まれるのは必至です。

そして海外のオンライン書店で洋書を買うのと、国内通販で買うのとでは、手間が大して変わりません。「言葉の壁」と「通貨の違い」さえクリアすれば、誰にでもできるのです。

それならば逆に情報を流すことで輸入の垣根を低くして行く方が、買う人にとっては一番ハッピーだろうなと思い、私はショップではなくレビューサイトを作りました。

もちろん輸出入には色々な法律や規制があり、植物・動物・機械・食品など気をつけなければならないもの、輸入できないものもたくさんあります (子供のおもちゃなんかも食品扱いとなるので注意です)。

参考リンク

このページの根拠となるリンクをつけておきます。

タックスアンサー No.6563 輸入取引    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6563.htm

カスタムスアンサー 1006 課税価格の合計額が1万円以下の物品の免税適用について    http://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1006_jr.htm

輸入統計品目表(実行関税率表)    http://www.customs.go.jp/tariff/

関税定率法基本通達(昭和47年3月1日蔵関第101号)(抄)    http://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/hourei/k_tsutatsu.htm

タックスアンサー No.6563 輸入取引    https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/6563.htm

4年前

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA